katharsis

しがないオタクの萌え語りやソシャゲ、日常などを書きなぐったブログ。ネタバレ+毒あり注意。

“子供向け”って何だろう

職業柄、本と接する機会が多いのですが、鬼滅の刃が小学生前後の小さい子供にウケたのが長らく理解できずにいました。呪術廻戦も少なく見積もっても小学低~中学年くらいの子供がウキウキと買っていくのを目の当たりに、トラウマ刻まれないといいな…とつい老婆心を抱いてしまいます。

理由はシンプルに、子供には重い設定だから。いや少年漫画だからメインターゲット層は少年なんですけど、救いがなかったり残酷な描写が多かったりと、あんまり少年向きの作風じゃないよなぁ、と読んでて思うんです。もちろん私はどちらの作品も好きです。好きだからこそ、これを無垢な子供に見せていいのか?と余計なことを考えてしまう。

ところで自分の母も本の虫で、ジャンル問わず色んな本を読み漁っている読書家なんですが、最近母と会話していて「児童書って子供向けにしては結構重い内容多いよね」という話になりました。主人公が迫害されたり、人が呆気なく死んだり、因果応報な出来事が待ち受けていたり…大人が読んでも「えぇ…」と思わず顔を顰めてしまう描写が子供向けのわかりやすい文体で描かれているんですよね。何が起こったのか、子供ながら察してしまう。ちなみに私はシェーラ姫の冒険とクレヨン王国、それから学年誌に載っていたポケスペにトラウマを植えつけられました。

そんな話をしていて、ふと思ったんです。子供向けと銘打っている児童書も、鬼滅や呪術といったダーク要素の多い少年漫画も、根っこの部分は同じなのではないか?と。

世の中には、どうにもならない不条理がある。どこか教訓めいた世界観は共通しているんですよね。児童書の場合、子供らに考えさせるためにあえてそういった描写を入れているのかもしれませんね。なので、大人になってもう一度読み返してみると面白いかもしれません。

もし、鬼滅の刃を面白いと思って読んでいた子供達がもう少し大きくなって、改めて昔好きだった作品を読み返した時。子供の時分には気づけなかった新たな発見や見方が見つかり、より作品が、読書が好きになるといいな、と考えています。たまには真面目なお話をしてみました。