katharsis

しがないオタクの萌え語りやソシャゲ、日常などを書きなぐったブログ。ネタバレ+毒あり注意。

人間五十年

下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。

追記から手紙感想(三通め)。

究極の選択を迫られ試された不動はどうにか思い留まる事が出来た。それは信長に諭されたから。他でもない信長本人から(信長が不動の事を未来から来た不動行光そのものだと認識していたかは別として)過去ばかり気にしてどうするんだと諭されたから、不動は思い留まる事が出来たんだろう。何より主君に刃向かう裏切り者になってしまえば、光秀と同じレッテルを貼られるだろうからね。

それにしても「失った過去の代償に現在の自分を犠牲にして、それでいったい何が面白いんだ?」って台詞が深いしグサッと胸に刺さる。これ、不動くんのみならず過去のトラウマや過ちを引き摺って生きてる人にも響く台詞だと感じました。

信長の人生観が反映されてるように思えるこの台詞、信長が好んだ『敦盛』の一節を連想させられた。

人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか。
これを菩提の種と思ひ定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ。

人の世の50年は、天界の下天においてたったの一昼夜の夢幻に過ぎない。人間はいずれ死ぬ。それは受け入れなければならない。だったら過去に拘るより、一瞬である今を懸命に生きてみせようじゃないか。そんなニュアンスで受け取っています。長谷部との回想含め、不動は信長の人生観を思い出して前を向く決意を固めたのかな。だから三通めでようやく手の震えも収まり、文も綺麗なまま届けられたんでしょうね。成長が感じられて審神者嬉しいぞ。

昨日も語ったけど、個人的に不動くんの「貴方」呼びが凄くツボです。何てったって貴い方と書いてあなたですよ。最上級の呼称だと思いません?

しかし織田の刀は心配させるだけさせといてから(こっちが勝手にハラハラしてただけだけど)男らしい潔さを見せつけてくるから本当にズルいですね。