katharsis

しがないオタクの萌え語りやソシャゲ、日常などを書きなぐったブログ。ネタバレ+毒あり注意。

いざ、足利

20年振りに一般公開された山姥切国広をこの目で拝むため、つい先日足利の地を巡って参りました。

電車を乗り継いで足利駅に着いたのは午前11時半過ぎ。その時点では既にコラボグッズの販売が終了していました。送料は自己負担ですが、手続きをすれば後日発送してくれるので(後日発送の場合、4月下旬~5月上旬を目安に発送してくれるそうです)、有り難いです。太平記館で手続きを済ませていざ、足利観光!

太平記館から足利学校鑁阿寺が割と近かったので、まずは足利学校から。スタンプラリーの他、旧跡図書館には内番絵のパネルが置いてあります。そこでパネルの他、足利学校ゆかりの刀剣史料が展示されているので鑑賞。実はここで初めて生の日本刀を目にしました。国広よりずっと後の時代ですが、晴雲斎源景國作の刀二振りが飾られています。間近で見れるので迫力が凄い。そして美しい。これに尽きる。その後は足利学校の敷地をぐるりと散策してみました。足利学校儒学を学ぶ場所だったので、至る所に孔子像が。個人的に足利学校吉田松陰高杉晋作が訪れていると知って興奮した。茅葺き屋根の方丈から望む景色が本丸の庭みたいで素敵でした。庭を背景に立っている近侍が見えた。ちょうど梅の季節で、咲きかけの梅が何とも風流でした。雰囲気が最高。

続いて鑁阿寺へ。元々は足利氏の館だったものを氏寺にしたそうです。本堂は2013年――つい最近ですね、国宝指定されたそうな。本堂の参拝を済ませ、せっかくなので本堂横の不動堂もお参りしました。鑁阿寺真言宗のお寺なので、本尊である大日如来の隣に脇侍として不動明王が居る形式を取っているんですかね。鑁阿寺は足利七福神巡りの一つで、大黒天を祀っているそうです。時間が無くてそっちまで回れなかったのが悔やまれる…。ちなみに同じくスタンプラリー設置箇所となっている西宮町の長林寺も七福神巡りの寺社で、福禄寿を祀っているとか。ただ、寺社への参拝が慣れていないもので、何か失礼があったら申し訳ない…。

美術館へ向かう前に腹ごしらえ。美術館から程近いカフェ『杏奴』というお店で、素敵な出会いがありました。溌溂なおかみさんに温かく出迎えられ、同じく山姥切鑑賞のために訪れた審神者さん方と相席になり、少しお話させてもらいました。オフで審神者さんとお話する機会ってなかなかないので嬉しかったし楽しかったです。コミュ障なもんで、あまり場を盛り上げられなくてごめんなさい…。

お昼を食べ終わって丁度、今なら外で待機せず40分程で展示室に入れると公式ツイッターのアナウンスがあったので、急ぎ足で美術館へ。風が強く美術館前も日陰になっていたので、かなり寒かったです。スタンプラリー担当のスタッフさん、寒い中本当にお疲れ様です…。

待ち時間がほぼ無かったので、展示室までは案外すんなり入れました。それでも館内は若い女性でごった返していましたが。展示室には国広や足利学校庠主三要、長尾顕長に関する資料が展示されており、刀は布袋国広→山姥切国広→国広の短刀の順で鑑賞しました。

布袋国広は前後左右から見れたのですが、鋩の方から覗いて見るとかなり薄い造りになっているのがわかりました。中学生の時理科で「金属は叩くと伸びる性質がある」と習ったのを思い出した。睡布袋の彫り物も凄かったです。薄い金属にあんなに小さくて緻密な彫り物を施せるなんて…!布袋と『夢香梅見里』の彫り物があるからか、とても趣き深い刀に見えました。脇差である布袋国広も割と小さく見えたのですが、国広の短刀がそれよりも小ぶりだったので、短刀って小さい!と衝撃を受けました。そりゃ擬人化したらショタになる筈だよ。それでも約23cmの短刀もしっかり鍛えられていて、本当に昔の人の技術って凄い…と改めて感服。

今回の目玉である山姥切国広とついにご対面!ライトアップされてるから物理的に当たり前なんですが、光り輝いて見えました。こっ、神々しい…!綺麗!打たれたのが1590年、今は2017年。427年も経ってる訳ですが、衰えぬ美しさ。もちろんちゃんと手入れをしてるんでしょうが、400年前の物が昔と変わらず綺麗な姿で残っている事に感動を覚えました。比喩じゃなく、「本当にここには神様が宿ってるんだ」って思った位。本来の付喪神の定義は妖怪ですが、長い年月を経た物には妖怪なり神様なり、人を超えた存在が宿るという考え方を漸く理解できた。もう「まんばちゃん綺麗~!」としか言えない。⑪先生の描かれた描き下ろし絵も、本物の刀を見た直後だったから直視できない位眩しかった。なんていうか、刀剣男士ってホントに神様だったんだ…ってしみじみ思った。

美術館見学を終え、またまた急いで太平記館へ。無事スタンプを三つ集められたので記念品と交換してもらいました。計画通りにはいかなかったけど、帰りの電車の時間までにどうにか全行程回れたので良かった…!本当は戦闘絵パネルが設置してある長林寺にも行きたかったのですが、時間が無くて泣く泣く断念しました。タクシーが運よく捕まるかも判らないし、「済んだ空気を吸いながら自らの足で山を登ることで健康になる、つまりお参りに行くということ自体がご利益をもたらす」とは私の敬愛する作家・高田崇史氏がご自身の著書で述べられていた意見ですが、やっぱり自分で足を運ぶ事に意義があると思うので、またの機会に。

日帰りの弾丸スケジュールを強行したので、市内の色んな箇所をじっくりゆっくり見て回れなかったのが唯一心残りです。それ位いい土地だった。何より、スタッフさんや企画協力店を含め、全員が山姥切と足利に誇りを持っていて、愛されているのがひしひしと伝わってきました。また機会を見つけて訪れたい。今度はゆっくり七福神巡りでも。個人的に市長さんの「若い女性が沢山来てくれて嬉しい(意訳)」発言に好感が持てました笑