katharsis

しがないオタクの萌え語りやソシャゲ、日常などを書きなぐったブログ。ネタバレ+毒あり注意。

沖田総悟がしんどい話

実写版映画を観てから真選組動乱篇が熱いです。耳にタコができるくらいうるさく主張しているかと思いますが、銀魂に本格的にハマったきっかけはアニメで動乱篇を観たからでした。思い入れの深い話が実写化され、再現度の高さに驚き、久々にアニメも観返して、やっぱり一番好きな長篇だなあ、と再認識しました。十年経っても自分の中では色褪せない名作だし、相変わらず沖田総悟はかっこいい。

というか、十年も経てば自分も大人になって、物事を深く考えてみたら子供の頃には気付けなかった事柄に気付いたり。そういう楽しみ方があるから何回見ても面白く感じるんですよね。動乱篇を改めて振り返ってみて、沖田総悟が抱えるものの重さにしんどみを感じてしまったので吐き出させてください。実写版のネタバレを含む内容なので追記に畳みます。

実写のオリジナルシーンで神楽が助太刀に入ったあとの「お前のドSも大したことないアルな」「顔見知り相手につい甘くなっちまった」のやり取りが自分の中の解釈とほぼ一致していて、初めて見た時は震えました。詳しくはツイッターや映画の感想記事に書き散らしたので割愛するとして。

沖田は敵(=近藤の脅威になるような者や自分の前に立ち塞がる者)には一切容赦しないけれど、一度迷いが生じると殺すのを躊躇ってしまうような甘さがあると思うんですよね。さらば真選組篇の信女に対してとか。件のシーンなんですが、原作の時点で「見知った顔も見えるが」って言っているんですよね…伊東のモデルは芹沢鴨伊東甲子太郎のハイブリッドですが、動乱篇を見ている限り騒動も伊東自身の人格も甲子太郎成分の方が強めだと思ってます。つまり、史実の藤堂さんのような『試衛館時代、或いは浪士組結成からの古い付き合いだったけど伊東派についてしまった隊士』もあの中に少なからずいたのではないかと考えています。原作の沖田は誰の手も借りることなく伊東派を一人残らず粛清する訳ですが、何を思って殺し尽くしたのかな…とか考えると途端にしんどくなってくる。18歳の少年が背負う重さじゃないでしょ…。

というかね、真選組の過去が徐々に明らかになってつくづく思う、沖田総悟のスペック相当ヤバくない?14歳で上京、浪士組結成。史実の池田屋事件にあたる六角事件はその当時の二年前だから、六角事件当時は16歳。16歳で妻子を護るために手を汚した父親を庇って「これ以上汚れる必要はねェよ」とか言っちゃうんですよ。何だお前。老成しすぎでしょ。その当時の年齢も驚きだけど、真選組として人殺しの道に進んでからまだ二年しか経ってないんですよこの時点で。それで汚れちまった目ん玉だから見えるものがあるって…汚しちゃいけないものがあるってお前……!いったい二年で沖田総悟の価値観に何があったんだ。銀さんの言う通り末恐ろしいガキだよ、この子の将来が心配だよ。

沖田が年齢の割に老成してしまったのは姉弟二人暮らしで病弱な姉の手を煩わせまいといい子ぶったり、幼い頃から大人に囲まれて育ってきた背景があるからだろうけれど、真選組としての道を選んだことで更に拍車がかかったのでは。大人びていてもまだ子供で、全体的に未成熟で本当は弱いからこそ、精神的に参ってる時は暴走しがちな沖田を諌め、ブン殴ってでも間違った道を正してくれる悪友――近藤、土方、銀さん、神楽など――がいてくれて本当に彼は幸せ者なんだな、と感じます。悪友、腐れ縁。ホントにここら辺の一言で言い表せないような魅力的な関係の描き方うまいよね空知先生…。ミツバ篇の独白を聞いてる限り、自分の周りの環境が恵まれてることを理解してるし感謝してるよね…絶対口に出して言わないだろうけど。